2011年12月31日土曜日

2011年のベトナムを振り返ってランキング

2011年のベトナムを振り返ってみました。

色んな事があったんだな―。

 

 

2011年のベトナムを振り返ってみました。色んなことがあったなと、改めて実感。個人的な独断と偏見で、ランキングしてみました。

 

1位:瞬間的に20%を超えたインフレ率

一番の出来ごとと言えば、20%を超えるインフレ率。よくインフレ指数としてCPI(消費者物価指数)が採用されますが、その数値が瞬間的に7月から9月に22.5%と20%を超えました。

僕の人生で初めての二桁インフレ率下の生活を実体験。行きつけの喫茶店のコーヒー代が毎月のように上がっていき、ボッタくられているのか、インフレなのか分からない状況でした。

また、日ごろ利用するバイクタクシー(セオム)の運ちゃんが、言いづらそうに値上げを申告してきたのもこの頃。お互い言葉が通じない同士なのに、良く分かりあえたものだ…。

ただ、靴磨きだけは値段が変わらず、パワーというものを改めて体感した頃。こちらから20%多く払うようにしたっけ。

丸型

2位:新閣僚人事の発表

2011年8月に新閣僚人事が国会の承認を受け、発表されました。任期は2016年までの5年間。

なんら日常生活で新閣僚人事が大きな影響を感じることはないのですが、日々のニュースが面白くなってきました。

一番気になってしまう閣僚がディン・ラ・タン運輸大臣。ベトナムでも大手企業、ペトロベトナムの会長です。企業の代表者が閣僚になること自体珍しいし、彼のやり方がベトナム離れしていて関心がどうしても向いてしまいます。

まず実施したことが、運輸省の官僚にゴルフ禁止令を出したこと。ゴルフ場で色々と悪さする閣僚が多いことは周知の事実ですが、これを一気に禁止してしまいました。

そしてタン運輸大臣が実施した大きな人事がダナン国際空港の旅客ターミナルの工事責任者をプロジェクト進捗の遅れを理由に即日更迭してしまったこと。

ベトナムは「調整」文化の国。ここまで大ナタを一気に振って大丈夫なのか、少し心配になりながらも、思わず応援したくなってしまいました。

丸型

3位:円高、円高、円高、そしてドン安

ベトナムで生活していて一番ありがたかったこと。円高です。日本では円高が悪影響を与える側面が強調されていますが、ベトナムにいると円高のおかげで助かりました。ベトナムドンと円の為替レートも円高基調でした。

2011年はベトナム国内で20%程度のインフレが進む中、対ベトナムドンの日本円為替レートが20%程度で円高基調。

これには救われました。

丸型

4位:原子力発電所の爆発ー東日本大震災

ベトナムで日本の大震災が関係あるのか?というところですが、モロにベトナムの噂文化を体感しました。

いわゆる風評被害ですが、「日本全国どこでも放射能を浴びる!」と言うベトナム人が多くいました。「その出所はどこか?」と尋ねると、決まって返ってくる答えがイギリスBBCニュース。CNNとかBBCとか言えば信用されるという、いわゆる途上国にある典型的な答え。

実際にBBCのWEBサイトを見ると、そんな記事は一つもありません。衝撃的な写真は掲載されていますが、記事自体は事実報道に終始しており、むしろ貴重な情報があり役立つものばかり。

記事が英語なので、誰もろくに読んでいない。適当に誰かがいった事を特に確認するわけでもなく言いまわっているだけです。

ただ、ショックだったのは一緒に働くベトナム人スタッフもその噂に振り回されたこと。皆、英語得意なんだし、それなりに能力もある人間なのに…。「そんな噂に振り回されるなよ」と心の中で何度も嘆いていました。

それにしても、ベトナムが導入を決定した原子力発電所はロシアと日本から。何が運命のいたずらなのか、世界で2カ国しかない原発爆発経験国が全てベトナムに揃ってしまうとは。ベトナム政府の英断ですな。

丸型

5位:ミャンマーの開放路線宣言

2011年11月30日から12月2日のクリントン米国務長官の歴史的なミャンマー訪問で動きだしたミャンマーの経済開放宣言。これはベトナムにとって、一大事件に発展する予感。

「ベトナムへ進出する日系企業の理由は何か?」と考えた時、「人件費」、「今後のベトナム国内マーケットの成長性」そして、他国からのリスク分散の受け皿」です。(出所:JBIC「わが国製造業の海外展開に関する調査2010」)

一方、日本から見るほどベトナムは楽園でもありません。これまでのベトナムの評価は、楽園ではないことに気づく人が増え始めた頃、他国でそれ以上のマイナス要因が出てきて、ベトナムが再評価を受けるといったものでした。

2011年は中国の人件費高騰が大きな問題となりました。また、タイでは政治の混乱や大洪水の発生です。ベトナムの他力本願的な経済発展を大きく感じる点です。

現在、日本企業がASEAN地域への進出を考えるとき、まずインドネシアとベトナムを筆頭にあがります。そして、第2グループに上がるのがカンボジアという選択肢。最後にラオスという選択肢でしょうか。タイ、マレーシアやシンガポールといった国々は、「今からでは遅すぎる」というのが大方の見方でしょう。

しかし2012年からはこの流れが変わりそうです。ミャンマーの投資環境セミナーは何年も前から日本各地で開かれていましたが、僕の知る限り常にセミナーは満席状態でした。

ミャンマーがASEAN進出先の第1郡となるインドネシア・ベトナムに入ってくるか。第2郡・3郡のラオス・カンボジアグループへ入ってくるか。少なくとも2012年からはカンボジアかミャンマーかという選択肢は現実的な選択肢として出てきそうです。既にカンボジアとミャンマーの魅力を比較する声をベトナムで聞く機会は増えました。

ベトナムの海外投資受け入れの動きをみると、ミャンマーへの海外投資が本格化するのは、まだ先には思います。しかし、まずはミャンマーとカンボジアが比較され、そしてミャンマーとベトナム・インドネシアが比較されるという流れは、5年後には起こる予感があります。

2012年以降、ASEANの地図が大きく変わりそうです。

丸型

最後に…。

ということで、2011年のベトナム関連ニュースを振り返ってみました。やっぱり、世界って動いているんだなと実感しました。2012年、さらにエキサイティングな年となりますように!

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