2013年10月19日土曜日

色んなものとコミュニケーション:【読書メモ】こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる

こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる
魚谷 雅彦
447800868X

マーケティングのプロが、マーケティングへの思いを語った本。

 

コカ・コーラといえば、マーケティング界の巨匠になるらしい。

確かに同社はコーラという変化のない商品を
100年以上売り続けている。
コーヒー、紅茶やジュースに至っては、
多くの企業が毎月新製品が出ているのに、負けない商品がある。

つまり、差別化することが難しい商品の
売れる仕組みを作り続けていることになる。
コカ・コーラを巨匠と呼ぶ意味が分かる。

【光触媒インテリアグリーン】

 

著者 魚谷氏はその巨匠日本コカ・コーラの会長(当時)で、
同社では特にマーケティング責任者として、
数々のヒット商品を出してきた。

ジョージア、爽健美茶、紅茶花伝、Qooがその代表作になる。
どれも、記憶に残る商品群だ。

たとえば、ジョージア。
「男のやすらぎ」シリーズは覚えている人も多いはず。

著者の魚谷氏が手がけたCM

そして、これとか。

魚谷氏が手掛けたCM やすらぎパーカー

そして、「明日があるさシリーズ」も社会現象に。

魚谷氏が手掛けた「明日があるさ」シリーズ

爽健美茶も、強烈なインパクトが当時あった。

魚谷氏が手掛けた爽健美茶

そして、紅茶花伝。CMの記憶は少し曖昧。
ただ、どの紅茶が好きか、特に女性が熱く語っていた。

最後にQoo。
これも出た時は話題になった。

魚谷氏が手掛けたCM Qoo

それぞれは、コーヒー、お茶、紅茶、ジュースと、
差別化が難しい商品群だ。
さらには新製品が連発され、入れ替わりも激しい。

本来なら、忘れられていてもおかしくないものばかりだ。

しかし、皆の記憶に残っている。
これって、単純にすごいことではないかと思う。

ということで、本書だ。

これらの商品を手掛けた人は
何を考え、何に注目し、何を選んだのか。
そして、どんなマーケティング活動を実施されたのか。

【光触媒インテリアグリーン】

 

本書はこの答えを理論や方程式で直接的に解説したものではない。むしろ、「こころを動かしたマーケティング活動秘話」
となっている。

ここは筆者のマーケティングに対する哲学の表れだと思う。
「マーケティングに絶対的な原理はない。」と著者は強調する。

ただ、秘話からマーケティングの極意はいくつも見えてくる。

例えば、その秘話に、著者のスーパープレーはない。
あるのは、関係者に反対されながらも「No」と言ったことだ。

一方で、色々な関係者のアイデアを一つに凝縮させることもする。

つまり、社会や時代とのコミュニケーション、
そして、社内や社外とのコミュニケーション。

マーケターのプロとしてコミュニケーションを大切にするべき、
とする筆者の考えが見えてくる。

筆者のマーケティングに対する考え方は以下のものだ。

「人の行動や心理、そういったものに興味を持ち、そこに何かの新しい価値を作っていこうという思いであり、こだわりであり、志だと思うのです。」

人の心を揺さぶることができる、大胆なことを考えていたい。

最後に、本書の関連書籍は下記のとおり。

こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる
魚谷 雅彦

こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる
会社は変われる! ドコモ1000日の挑戦 コカ・コーラに学ぶ ビッグ・ウォレット戦略 コカ・コーラパークが挑戦する エコシステムマーケティング 神話のマネジメント―コカ・コーラの経営史 コカ・コーラ 叩き上げの復活経営
by G-Tools 最後に、本書の関連書籍は下記のとおり。

0 件のコメント:

コメントを投稿