2012年2月13日月曜日

進む?ベトナムとミャンマーとの投資関係

 

ミャンマーの市場開放への路線変更を受け、ベトナムも動き出したようです。

越企業もミャンマー投資を、現地の貿易参事官」の記事があったので、ご紹介。

 

 

ベトナムにいながらどうしても気になってしまうのが、ミャンマーの市場開放路線への政策転換。アセアン域内で最後のフロンティアと言われたミャンマーが市場開放へ舵を切ったことで、日系企業の海外投資先が今はインドネシアかベトナムか?ですが、そこにミャンマーが加わってきそうなので。

同記事によると、これまでのベトナムとミャンマー間の投資環境にいくつかの優遇策がとられることになったようです。以下、発表があった主な変更点。

  • 投資ライセンス発給期間:6カ月から2週間へ
  • 免税期間:5年間から8年間へ
  • 土地リース期間:30年間から50年間へ

なんとも魅力的な変更点です。なかでも、気になったのが投資ライセンス発給期間の変更。6カ月から2週間と大幅短縮です。ただ、実際はベトナムと同様に、「正式書類が受理されたら」という条件付きと思われますが。

この「正式書類の受理」という条件がベトナム国内では曲者。ミャンマーでも当然曲者になりそうな予感です。なんせ、行政能力がイマイチなベトナムでは、窓口担当者のレベルでこの正式書類の解釈が異なります。ハンコのインクが見にくいとか、そんなレベルです。

そのため、ベトナム以上に海外投資の受入にまだ不慣れなミャンマーでは、暫くベトナムと同様の混乱が続くのだろうなと思います。

 

ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

 

ところで、ベトナムの在ミャンマー・ベトナム貿易参事官は以下の分野をベトナム企業にとってミャンマーへの有望な投資分野にあげています。

ベトナム企業にとっての有望な投資分野
  • 農業
  • 自動車生産
  • 電子
  • 水産業
  • 観光
  • 食品加工
  • 消費財生産

これら7つの有望分野がベトナムの実情にどこまで見合ったものなのか、少々疑問が残ります。

まず、農業は確かに農産品の輸出はベトナムにとって主力貿易郡です。しかし、ミャンマーに行けば価格も下がるだろうし、それなら欧米や日本といった国へ輸出した方が、外貨獲得につながるような。

また、自動車生産と電子は日系・韓国系を中心とした外資系がその主体をなす産業です。同業界において裾野産業の育成が喫緊の課題と言われている中、ミャンマー投資に踏み切れそうなベトナム企業はまだ現れそうにありません。

水産業、観光、食品加工や消費財生産なども同様にベトナム企業がミャンマー打って出るメリットがどこにあるのか、少々見極めが難しいところ。ミャンマーを消費マーケットとしてみると、ベトナム国内で中国製品の価格競争ができないベトナム企業が、中国とのつながりがより強いミャンマー国内市場でどこまで勝負ができるのか。

ただ、僕の勝手な予想でミャンマーへ打って出ることができそうなの企業が1社。ベトナム系文具メーカーのTien Long社。同社はベトナム国内で文具のトップメーカー。製品自体も結構しっかりしており、ミャンマーを問わず品質と価格のバランスでベトナム国外でも十分勝負できそうに思えます。たしか、社長は台湾出身のご両親を持つ華僑系だったような…。

 

ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

 

ところで、外資金融機関に支店開設をまだ認めていないが、ベトナム金融機関には支店開設を優先的に認めるとの一文が。

現在、ベトナム国内で過当競争と言われるほど乱立するベトナム資本の金融機関。現在、その整理・統合へベトナム政府が舵を切ったばかりです。ミャンマー進出第1号となるベトナム金融機関がどこになるか、今後のベトナム金融機関の勢力図を見る上でも、気になるところです。

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