ベトナムの職場で使う言語は?
以前は英語で、今は日本語です。
ベトナムで仕事をしていて困ることって何だろう?と考えた時に、最近一番悩んでいるのが言語です。英語がいいのか、日本語がいいのか、一番理想なのはベトナム語なのはわかっているのですが。
1.「職場の公用語は英語」の実際はこんな感じでした。
異動前の職場では英語を使用していました。ベトナム人6人と日本人が僕一人の計7人の職場です。
その内訳は日本語が得意なベトナム人で、英語の読み・書き・話すもある程度できる人が2名。英語のみ分かるベトナム人が2名。日本語のみのベトナム人が1名でした。
日本語のみといっても、英語の読みはできます。ベトナムでは英語は大学入試科目の必須科目です。大学へ入学していれば、高校の教科書程度の英語を読むことはできます。
ということで、社内の重要事項やレポートは英語としても、そこそこ業務は廻ります。
「社内公用語は英語」の最大のメリットは日本人とベトナム人のお互いが、「十分に言いたいことを十分に表現できない」という共通認識を持てる部分にあると思います。
お互い相手が言っていることを理解しようという意識は、若干ですが、双方に芽生えると思います。
また、隠れたメリットとしては、「あの日本人は英語すらできない」とバカにされることもありません。
技術者や職人であれば、能力差を目の前で実演することで証明できます。しかし、僕のような非技術職であり非職人には、目の前で実力差を示す方法がありません。日常業務で能力の違いをプライド高いベトナム人に示すとなると、本当にしんどいと思います。
ところで、通常の職場の会話は英語と日本語とベトナム語の3カ国語が飛び交います。僕は日本語と英語で同じことを言ったり、ベトナム人は日本語で言ったり、英語で言ったり、ベトナム語で言ったり。三言語で通訳をしあったりします。
この「職場は英語」のデメリットは、日常のコミュニケーションに手間を求められることだと思います。忙しい時など、「勘弁しろよ!」と、ベトナム人も僕も日々思いながらのコミュニケーションです。
2.「職場の公用語は日本語」の実際はこんな感じです。
今の職場は日本語が公用語になっています。日本人の僕にとって非常にありがたい環境です。
社内・社外を問わず、全て日本語でやり取りできることが、これほど「ありがたい」ものかと実感しています。
一方、最近感じる不安は「これは自己満足の世界か?」ということです。僕は言いたいことを100%表現できます。微妙なニュアンスを考えながら、適切な言葉を意味を考えながら発信することができます。でも、これってベトナム人には伝わらないような?という、当たり前すぎる疑問を感じ始めました。
翻って、僕が留学時代にアメリカ人やカナダ人と英語でコミュニケーションをとっていた時どうだったか。正直、微妙な単語の意味の違いとか、フレーズの意味の違いとか分かってなかったです。未だに、「a」と「the」の違いとかも良く分からないし。「F★★K」とか「J★P」とか言われても、日本語で「バカ」や「アホ」と言われるより、怒りは少ないです。
といことは、母国語で発信する微妙なニュアンスの違いって、母国語ではない人には伝わらないよな、という当たり前すぎる事実に最近気付きました。
今、職場は日本語オンリーです。だから、少し、ベトナム人に日本語ハンディキャップをあげるようにしました。「どうして、こんなこともわからないんだ!」と腹を立てる前に、簡単な表現を使ったり、ゆっくり話してあげるなど。
でも、実践して数日経ちましたが効果はイマイチです。「これだけ君たちに歩み寄ってあげてるのに、どうしてそれがわからないんだ!」という感情が出てしまって…。相変わらず、小さい自分に気づく日々が続いています。
3.参考までに、他のASEAN諸国の職場の言語
中国、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシアの日本人駐在員から職場の公用語を聞くと、色々違って面白いです。
中国やインドネシアの日系企業の職場は日本語を公用語とする場合が多いようです。特に中国は、いわゆる「日本語1級」という日本語エキスパートぞろいで職場を固めるそうです。流石、人口10億人の国です。母集団が圧倒的に違いすぎます。
また、マレーシア・シンガポールは英語が社内公用語だそうです。これは日本人が何人いても、また社内・社外を問わず、マレーシア人やシンガポール人が一人でもいれば、その席上の言語は英語になるそうです。確かに、マレーシアのイオンの試食売り場のおばちゃんでも、流暢な英語を話していました。両国とも英語ができないとアウトなのかもしれません。
ところで、唸ってしまったのはタイです。タイはタイ語を社内公用語とする会社が多いようです。これは外国語可能人材の人件費高騰に対する対策から出来上がったようです。また、日本人の在留者数が世界の諸都市でもトップ3に入るほど日本人が多いので、タイ語ができる日本人数も必然多いのかもしれません。いずれにしても、大胆な政策です。
4.ベトナムはベトナム語?
本当はベトナムにいるのだから、ベトナム語が公用語があるべき姿なのかもしれません。
でも、ベトナム語は発音が難しすぎて…。なんて、言いわけをしつつ、ベトナム語ができない日々が続きます。
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