2012年1月5日木曜日
悪気はないんです。ただ、未経験なんです。-ベトナムの職場
日々、思います。どうして、こちらの意図を理解が上手に伝わらないのか。
文化の違いや言葉の壁の壁…。理由は色々あるけれど。
ベトナムに来て3年ほど経ちました。未だに自分の想定と異なることが頻繁に起こります。
ところで、なぜ、こうも想定外のことばかり起こるのか?最近、この問いをもてる精神的余裕は出てきました。これまでは、「怒り」だけがこみ上げてきて、仕方なかったのですが。
例えば、先日こんなことがありました。既に3か月ほど前に合意した取引内容に対して、再度見直したいという申し入れ。合意内容を見直したら、契約内容どおりに実施するとキャッシュがショートする可能性があるので、再度見直したいとのことです。
ここで僕が腹を立ててしまったのは、「そんくらい、考えてなかったの?」という点と、「なぜに、今頃?」という点です。
まず、「そのくら、考えてなかったの?」という疑問。企業側が言いだした理由は現状の契約内容では「キャッシュがショートしてしまう」という理由。
僕の個人的な感情としては、そのくらい事前に考えて契約内容で回答して欲しかった。まだ、基盤がしっかりしていないベトナム企業では、資金繰りが大変なのはわかります。また、一般論で、企業経営のキャッシュフローの大切さは理解できます。
だから、余計に事前に考えて回答をして欲しかった。企業経営者なら、毎日考えてることなのでは?という疑問というより、怒りと情けなさ。
そして、「なぜに、今頃?」という点。この会社からの申し入れがプロジェクトの本格稼働直前でした。もっと、早く申し出ればいいものを。
ベトナムとの取引に慣れていない企業では、不安感と不信感がMAXになっても仕方ありません。取引中止となっても、仕方ない。
一方、最近ベトナム企業の言い分が分かるようになってきました。彼・彼女らに決してそこには悪気はないんです。あくまでも未熟さや未経験から、本来検討すべきポイントがどうしても抜け落ちてしまうんです。
今回の企業を例にしても、本当にキャッシュがショートするという発想すら、契約交渉課程ではなかったようです。
また、日系企業の発注の特徴として、多品種・少量発注が挙げられます。一方、ベトナムではまだ少品種・大量発注が一般的です。契約交渉の過程でも、その考え方が根底にあったのでしょう。
ベトナムでの交渉は「相手文化を理解する」というより、未経験からくる未熟な相手と交渉する。そんなスタンスが必要なのかなと最近思います。
ある意味「見ざる、言わざる、聞かざる」のバランス感覚ですかね。相手のプライドを刺激しないように、落ち度は見ないふりをして、落ち度を指摘せず。でも、相手の言い分は全ては聞かず、そこそこの妥協点を提示する。
これが、ベトナムビジネスの現状なのかなと思うこの頃です。
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